想い2020.03.23
『おい健悟、明日は愛知県へ行くぞ!』
20年ほど前、当時の社長である寺島今朝成からそう言われ、訳もわからず車を運転して愛知県へ向かったのを今も思い出します。
当時は、私も現場に出ており、半分は現場で半分は社長の手伝いみたいな形で仕事をしていました。
車の中では何を話したのかあまり覚えてはいませんが、愛知県にある大同特殊鋼株式会社に行くように指示を受けて、地図を見ながら行った記憶があります。
大同特殊鋼に着いても会社が大きすぎて、どの門に行ったらいいのかわからず四苦八苦しました。
それでも何とか目的の場所に到着すると、門には守衛さんがいて、父はその方に○○さんに会いたいと伝えていました。
ただ、すぐには会えないようで、車に戻ってきた父に状況を聞くと、『この会社で作っている形状記憶合金を使って製品を作りたいのだが、電話してもなかなかこちらの意図が伝わらず、アポを取るのも難しいかったので、直接来てみた』との事でした。
そりゃ、これだけ大きな会社にいきなり来て、会って話をしたいといっても難しいでしょうし、相手の方も迷惑だったと思います。
正直どのくらい待ったのかよく覚えていませんが、相手の方が出てきてくださり、中に入って話をすることができました。
そこからは、父が一方的に形状記憶合金を使った換気口を作りたいので、協力してほしいという想いを伝えていました。
相手の方も誠実な方で、こちらの質問に対してしっかりと対応してくださって、そこから形状記憶合金を使った換気口の開発が始まりました。
愛知県からの帰り道、もし今日、相手の方が会ってくれないといったらどうしたのか。と父に聞いたら、会ってくれるまで何日でも愛知県で宿泊して待つつもりだったと言っていました。
今考えれば、あの時、父が相手の会社が大きな会社でなかなか話しを聞いてくれないから諦めようというような考えであれば、現在のWB工法は生まれていません。
日本の気候風土に合った家づくりをしなければ人も家も健康ではなくなる。
そのためには、通気をコントロールする方法が必要だと考えたことから形状記憶合金を見つけ、それを製品化するために諦めずに行動する。
新しいことを始めたり、チャレンジしたりするには、絶対に諦めないという気持ちで臨むことが大切だと教わりました。
あの時、経験させもらったことを忘れず、私も絶対に諦めることなく理想を追求します!